しのぶ会:民俗学者の沖浦和光さん 大阪で300人が送る
毎日新聞 2015年11月04日 20時55分(最終更新 11月04日 22時46分)
聞き取り調査を通じて被差別民の歴史を発掘した民俗学者で、今年7月に88歳で亡くなった沖浦和光(かずてる)さんをしのぶ会が3日、大阪市港区のホテルで開かれた。約300人が出席し、故人の足跡に思いをはせた。
沖浦さんは東京都大田区立中学での英語教諭を経て桃山学院大教授、同学長を務めた。被差別部落の住民や海や山で暮らす漂泊民に会い、生活や文化、芸能について聞き取るフィールドワークを重視した。研究で何度も通ったインドネシアの海に今年8月散骨され、会場では沖浦さんの講演風景や散骨の様子が映し出された。
中学教諭時代の教え子だったタレントのなべおさみさんが、当時の思い出を披露した。「沖浦先生は野球部の先生で、部員に『ええなあ、キャッチングええぞ。キャッチャーって言うやろ、つかまえるっちゅうことや』と温かく話しかけ、何の変哲もない選手が名選手に変わった。試合は負け知らずになり、私たちは沖浦先生のたなごころに踊らされていた孫悟空でした」と懐かしんだ。【中村美奈子/デジタル報道センター】
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